脳体力トレーナーCogEvoを導入して感じる利点
ひまわりトレーニングセンター(以下、トレセン)に認知症予防プログラムを取り入れようと検討している時に、脳体力トレーナーCogEvoと出会いました。導入の決め手となったのは「認知面の評価機能」と「タブレット端末によるトレーニング機能」です。
トレセンでは、理学療法士が評価を行い、健康運動指導士・健康運動実践指導者が個々の能力に合わせて運動指導を行っています。運動機能の向上を図るには、個別プログラムをPDCAサイクルで回していくことが重要です。認知機能も同様で、しっかり評価し、評価結果に基づいた計画と実行をすることが重要であると考えています。
よく使われる認知症の簡易検査は、評価結果が分かりづらく、結果をうまく生かすことが出来ませんでした。脳体力トレーナーCogEvoの評価結果は、グラフや数値で「見える化」されています。そのため、説明しやすく、利用者さんも理解しやすいと感じています。
また、タブレット端末で実施できることも魅力です。タブレットに触れた事がない高齢者にとって、新しい事に挑戦する機会を提供できています。
自立支援の取り組み
通所サービス事業所が担う役割の1つに「卒業」があります。そこで必要となるのが、自立支援の取り組みです。トレセンでは、運動と脳体力トレーナーCogEvoの両輪で自立支援に取り組みます。
活動的な生活をサポートしていく上で、認知機能の維持は大きなウエイトをしめると考えています。運動機能向上だけでなく、脳体力トレーナーCogEvoによる認知機能の向上が、「卒業」に繋がるかの検証を行っていきます。
認知症予防プログラム「脳活Labo」
トレセンで開始した認知症予防プログラムを「脳活Labo」と呼んでいます。「運動習慣」と「脳活習慣」を同時に習慣化させる取り組みとなっています。評価・訓練をきっかけにして、日常生活における行動変容が目的です。これは、トレセン独自のプログラムです。
脳活Labo参加の皆さんは、3ステップを3か月間実施します。
①トレセン来所時に必ず脳体力トレーナーCogEvoを実施する
②自宅では「脳活プリント」に取り組む
③1ヵ月毎にひらがな計算に挑戦する
脳体力トレーナーCogEvoは予約制
脳体力トレーナーCogEvoの実施には、予約制を導入しました。自分で決めた時間に、自分で行くことが、自立支援の仕掛けになっています。また、トレセンの利用時間を効率よく過ごすことに効果があります。こうすることで、対象者が来所時に必ず脳体力トレーナーCogEvoを実施する事ができています。
脳活プリント
トレセン完全オリジナルの脳トレ問題集です。毎日の宿題として活用しています。毎週1冊ずつ、3ヶ月間継続して宿題プリントを実施します。毎日1ページ(3分)ずつ実施することで「脳活Labo」が習慣化されます。プリントは毎週採点することで、モチベーションの維持を図ります。さらには、ご家族との会話が生まれるきっかけにもなっています。
ひらがな計算
3分間でひらがな計算を何問解くことが出来るか挑戦します。
3か月後には、7割を超える方の回答数が増え、集中力が向上していることが分かってきました。
今後の課題 ~取り組みの認知と学会での発表~
今後の課題は、これらの取組みについてケアマネ・地域へ伝えていくことです。
これまでは結果表をまとめ、担当者会議の資料にしたり、来訪されたケアマネに体験会をさせて頂いていました。今後は、地域包括支援センターや社会福祉協議会などに直接出向いて脳体力トレーナーCogEvoを体験してもらおうと考えています。さらに、認知症カフェでの体験会も実施し、若い世代にも周知していきたいと考えています。
体験会を通じて取り組みに対する認知度を高め、紹介件数の向上を目指していきたいと考えています。また、脳体力トレーナーCogEvoを使った「脳活Labo」の取組みについては、学会で成果報告を行いたいと考えています。