脳体力トレーナーCogEvoについて

脳体力とは

エビデンス

アカデミアインタビュー

パートナーインタビュー

企業

ヒヤリハット

自治体

病院・クリニック

介護

薬局

研究

スポーツ

個人

よくあるご質問

ニュース

セミナー情報

エビデンス

脳体力トレーナーCogEvo(コグエボ)は、認知機能に関わる様々な分野における、評価スケール、チェックツール、トレーニングツールとしての信頼性・妥当性、またソリューションとしての実践応用の可能性など、大学、研究機関、医療・介護施設、企業、等と臨床研究および実証実験をおこなっています。

脳体力トレーナーCogEvoの応用可能性

脳体力トレーナーCogEvo(コグエボ)は高次脳機能障害のリハビリテーションで使用されているツールをICT化したもので1)、搭載されているタスクがMMSE(ミニメンタルステート検査)と相関があることや2)3)、認知トレーニングによりADLの認知項目、易疲労性や発動性の行動評価が改善したこと4)5)などが報告されています。現在は、脳体力トレーナーCogEvo[コグエボ]を活用し、高齢者分野を中心に認知機能に関わる様々な医療や生活分野における臨床研究が行われています。これらの複数の臨床研究では、認知症患者のリハビリテーション効果6)や、認知機能評価スケールであるMMSE、FAB(前頭葉機能検査)など臨床で使用されている認知機能スクリーニング検査との高い相関があることが報告されています7)8)9)18)22)23)

また、MMSEやFABでは 天井効果が生じるプレクリニカル期やMCI期において、脳体力トレーナーCogEvoは認知機能の軽度の変化を捉えることができると示唆されおり、脳体力トレーナーCogEvo[コグエボ]は認知機能の軽度の変化を捉えることができる可能性があることから8)9)18)22)23)、中高年および認知症のプレクリニカル期からの認知機能の経年的な変化を評価するための、簡単で便利なICTツールであるとされています9)18)22)23)
我が国において、認知症への予防効果を検証するために我が国独自の取り組みを加えた介入研究であるJ-MINT研究が2019年に国立長寿医療研究センターを中心に、名古屋大学、名古屋市立大学、藤田医科大学、東京都健康長寿医療センターとともに多施設での共同研究が行われおり、脳体力トレーナーCogEvoは評価スケールのひとつとして採用されています21)

そのほかにも、高次脳機能障害、子どもの発達障害での評価、介護現場での活用、10)11)12)脳しんとう等のスポーツ障害での復帰プログラム13)14)、がん治療における認知機能低下やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)における低酸素状態にともなう認知機能低下の評価15)24)にも用いられるなど、各種臨床研究が実施されており、これまでに脳体力トレーナーCogEvo点数とMMSE点数とが相関する等の結果が得られていることから、今後,脳体力トレーナーCogEvo点数が医療受診のきっかけになることも予見されます。

最近では、地域住民を対象とした臨床研究では、脳体力トレーナーCogEvo の使用は、認知症予防の必要性を自覚させるだけでなく、新たな行動発生にも寄与することや、トレーニングツールとして自由に使用することで、時の見当識、近時記憶、計画力、作業記憶が向上し、気分プロフィールの改善や心の健康(mental health)、主観的疲労感の軽減も認めたことが報告されています16)

脳体力トレーナーCogEvo[コグエボ]三次予防(リハビリ)から生まれ、二次予防(早期発見)でのエビデンス取得のための臨床研究を行ってきましたが、一次予防(発症予防)としての活用方法を様々なソリューションと組み合わせた仕組みづくりとエビデンスづくりが今後の課題となっています。17)20)

生活分野での応用可能性については、高齢ドライバーにおける認知機能の変化と運転行動の関連に関する研究19)から、車の運転に問題行動が出るレベルを発見(二次予防)するのではなく、安全運転指導の徹底や、運転免許の返還をすすめるために、SCI(認知機能の低下を本人は自覚があるが周囲は殆ど気づいていない)期における認知機能の気づき(ゼロ次予防)として活用することが示唆されています。

認知機能研究会

生命科学インスティテュート社と共同で、認知症分野の複数の大学、医療施設とともに、脳体力トレーナーCogEvoの信頼性・妥当性に関する臨床研究を行うために2016年に組織(研究結果については、複数の大学から論文投稿<2報掲載>)

※研究結果に基づき「新たな認知機能検査システムの開発及び事業化契約の締結」が行われました。
http://tbcare.jp/wp/wp-content/uploads/PRESSRELEASE20190326.pdf

関連文献

  1. 河越眞介,軽度認知障害(MCI)の進行度合い評価システムの開発; アルツハイマー病~発症メカニズムと新規診断方法・創薬・治療開発,175-183,2018
  2. 本田真美, 橋本圭司,健常高齢者を対象とした高次脳機能バランサーの信頼性・妥当性の検証; 認知神経科学,12(3・4),1-8,2010
  3. 橋本圭司,Computerized Assessment Tool for Healthy Elderly Persons as a Predictor of Cognitive Function, Jikeikai Med J; 57,1-4,2010
  4. 南千尋,松林潤,俵あゆみ,納谷敦夫,三谷章,慢性高次脳機能障害患者に対する注意トレーニングの効果,認知リハビリテーション,18(1),2013
  5. 花岡望,認知機能バランサーの導入と効果について, 第26回全国介護老人保健施設大会(神奈川),2015
  6. 中前智通,前田潔,認知症に対するリハビリテーションとしての「脳活バランサー脳体力トレーナーCogEvo」の可能性と有効性, 神戸学院総合リハビリテーション研究,15,2,1-8,2020
  7. 大上哲也,池畑彰人,中野高広,山上徹也,多根井重晴;認知症, MCIのスクリーニング:脳活バランサーの活用, 第38回日本認知症学会学術集会(東京),2019.11
  8. 吉武将司,酒野直樹,川口朋子,中磯子,河野光伸; 高齢者に対する認知機能評価,第53回日本作業療法学会(福岡市),2019.9
  9. Sadanobu Ichii, Takumi Nakamura, Takeshi Kawarabayashi, Masamitsu Takatama, Tetsuya Ohgami, Kazushige Ihara and Mikio Shoji ,Cognitive function balancer (Cog Evo) is a sensitive and easy psychiatric test battery for age-related cognitive decline, Geriatrics & Gerontology International,20(3),248:255,2020.
  10. 橋本圭司,高次脳機能障害と認知症~ICTによる評価システムの有用性,早期認知症学会雑誌; 11(1),29-35,2018
  11. 橋本圭司,ICTによる認知機能測定~子どもから高齢者まで~,総合リハビリテーション; 44(12)1064-1069,2016
  12. 橋本圭司,高次脳機能障害へのアプローチ~特徴を理解し、正しいアプローチで回復をめざす~; 月刊デイ,25,72-75,2018
  13. 山田睦雄,スポーツによる脳震盪のリハビリテーション~競技復帰のために必要なこと~; 臨床スポーツ医学,3(3),96-305.2019
  14. 山田睦雄,ラグビーの脳振盪へのテクノロジーを用いたアプローチ-脳振盪の管理-; フットボールの科学,14(1),18-25,2019
  15. 内海絢女,小川真寛,佐藤晋,濱川瑶子,谷向仁, 高齢COPD患者と健常高齢者における認知機能の特性の比較, 第29回呼吸ケアリハビリテーション学会,2019.11
  16.  黒瀬聖司,山中 裕,藤井 彩,堤 博美,木村 穣; 地域住民における脳機能チェック・トレーニングツールの使用が認知機能と行動変容に与える影響, 保健医療学雑誌,11(2),81-92,2020
  17. 河越眞介,超高齢化社会を快適に過ごす~認知機能の見える化~,BIO Clinica,9月号,38-39,2020
  18. Hajime Takechi,Hiroshi Yoshino:Usefulness of 脳体力トレーナーCogEvo, a computerized cognitive assessment and training tool, for distinguishing patients with mild Alzheimer’s disease and mild cognitive impairment from cognitively normal older people,Geriatrics & Gerontology International,21(2): 192-196,2020 https://doi.org/10.1111/ggi.14110
  19. 大上哲也, 山上徹也, 中野高広, 多根井重晴,高齢者ドライバーにおける主観的認知機能障害と自動車の運転行動に関する研究,日本老年薬学会雑誌,4 (1), 1-8 ,2021
  20.  河越眞介, 認知症予防に有用なICTツールを使った脳トレ,脳神経内科,94(6),853-860,2021 
  21. T. Sugimoto, T. Sakurai, et al.,13The Japan-Multimodal Intervention Trial for Prevention of Dementia(J-MINT): The Study Protocol for an 18-Month, Multicenter,Randomized,Controlled Trial,J Prev Alz Dis 2021;4(8):465-476
  22. 朴白順,前田ら, 認知機能簡易測定ツール「脳活バランサー 脳体力トレーナーCogEvo」の有効性についての予備的検討 :地域在住高齢者および医療機関受診者を対象として, Dementia Japan 36 : 322-335, 2022
  23. Y. Sawada, T.Satoh .et al.,Validity and reliability of a computerized cognitive function evaluation battery (CogEvo) as a screening tool,PCN Reports,2(1),2023: 06 January 2023 https://doi.org/10.1002/pcn5.67
  24. M.Ogawa.H.Tanimukai,et al.,Preliminary study of assessing cognitive impairment in older patients with chronicobstructive pulmonary disease by using a cognitive functional assessment tool viaa touchscreen personal computer,Multidisciplinary Respiratory Medicine 2023; volume 18:892