脳体力トレーナーCogEvoについて

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CogEvoが地域医療のコミュニケーションツールに

~病院保健室・地域イベント・訪問介護など多面的に活用~

はぁとふるグループ 運動器ケア しまだ病院

大阪府羽曳野市

ポイント

渡辺晋吾氏

診療支援部(公認心理師/臨床心理士)

森本圭太氏

広報戦略チーム マネジャー(理学療法士)

超高齢社会を迎え、医療機関の役割として従来の治療だけでなく、予防的な観点からの包括的なケアが求められている。そうした中、大阪府羽曳野市の運動器ケア しまだ病院では、「脳体力トレーナーCogEvo」を活用した先進的な取り組みを2022年から展開している。

今回は、同病院で公認心理師として認知機能支援に携わる渡辺晋吾氏と、広報戦略チームマネジャーの森本圭太氏に、導入の経緯から現在の活用状況、そして今後の展望について詳しく伺った。

左から、渡辺様、森本様

高齢化に伴う新たな課題への挑戦

ー CogEvo導入の決め手は何でしたか?

渡辺氏:高齢化に伴って、整形外科病院としても認知機能支援を強化する必要がありました。その中でCogEvoというツールを知り、デジタルデバイスとして魅力を感じたのが導入のきっかけです。 脳トレは楽しくないと意味がない。苦行として何かをやるのはあまりいいことではないわけです。CogEvoは楽しく取り組めて、人による差が起きづらく、データの一元管理ができ、瞬時に結果がグラフ化される。結果を視覚化できることは、実施していただいた方にとってもすごく魅力が高いポイントでした。

ー 対象者はどのように設定されたのでしょうか?

渡辺氏:整形外科の患者さんは、他の内科や外科と比較すると、健康度が高い人が比較的多いんです。そもそも物忘れや認知症になりたくないという関心はベースとしてみなさんお持ちです。 入院しているとリハビリと治療、ケア以外の時間を持て余す人もいるわけです。その時に一緒に「体と一緒に頭も動かそうね」というのが一つのコンセプトです。そこまで動機付けしなくても、関心がある人は集まってくださいね、という形で、強制するわけでもなく、じゃあこの機会にちょっと脳トレでもやってみようか、という感覚ぐらいでいいかなと思っています。

院内、介護施設、ジムなど複数で多面的に活用

ー 現在はどのような形で活用されているのですか?

渡辺氏:院内で立ち上げた「CREVER(クレバー)プロジェクト」として様々な取り組みを展開しています。最も活用が進んでいるのは病院内にある「はぁとふる保健室」での取り組みです。
森本氏:みんなの保健室、地域の保健室のようなコンセプトで、最終的には誰が来てもらっても、病院にかかってなくても、相談に来てくれたらいいなという保健室にできたらと考えています。

ー 保健室での運営で工夫されている点はありますか?

渡辺氏:ここでたくさん使ってほしいなと思って、プリンターを買ったんです。すぐに結果をプリントアウトできて、お渡しできるような状態にしました。それで満足度が高くなって、その場で結果をもらえるのはいいなと思っています。保健室に常駐する看護師さんが対応してくれています。
森本氏:「ヴィゴラス」(病院併設のメディカルフィットネスジム)での周年祭でも活用していて、CogEvoが一番のキーコンテンツになっています。整理券を配って実施するほど盛況なんです。

ー 地域イベントでの活用についてはいかがですか?

森本氏:介護の日、看護の日、いろんなイベントでCogEvoを実施しています。院内のイベントではかなり活用していて、地域の老人会に出張的に実施することもあります。イベントをやるごとに、こういうニーズが高いよね、という地域の状況をよく実感します。

ー 運動との組み合わせも試されているそうですね。

渡辺氏:「ヴィゴラス」で自転車を漕ぎながらCogEvoを実施したこともあります。病院のスローガンが「頭使って、体動かして」なので、それを体現する取り組みです。
森本氏:「食べて動いて喋って笑ってよく寝る」という5本柱を大事にしているので、その中の「頭使って動いて」の部分ですね。
初めての方でもわかりやすい、CogEvoのオリジナル資料を保健室に配置されている

「覚えていないのに上達している?!」驚きの効果

ー 導入効果で印象的なことはありますか?

渡辺氏:最も驚いたのは訪問看護での結果です。重度認知症の患者さんで、やったことは忘れているのにCogEvoの成績が上がっているんです。エピソード記憶は保たれていないけれど、手続き記憶は向上している。これは非常に興味深い発見でした。 具体的には、フラッシュライトで光が終わるのを待てるようになったり、視覚探索がスムーズになったり。覚えていないのにできるようになる、という現象が確認できています。

ー 転倒予防への効果もあるそうですね。

渡辺氏:はい、注意力の向上が転倒予防に繋がっています。注意機能が向上することで、注意して歩いたり見たりするところが改善される。きちんと注意を集中させればそれだけの力を発揮できるはずなんだけど、日常ではそれが落ちてしまう。そこが改善されるんです。

ー CogEvoをどのような位置付けで活用されていますか?

渡辺氏:認知機能向上とともに、『コミュニケーションツール』として活用しています。これを使ってより良いコミュニケーションを取り、全般的に良い刺激を提供することが目的です。やらされている感じではなく、楽しく取り組んでもらうことを重視しています。

地域展開と今後の可能性

ー 地域への展開についてはいかがですか?

渡辺氏:包括支援センターや役所からの依頼で老人会での実施もあります。「いきいき100歳体操」と組み合わせた取り組みも考えています。 理想は「クレバーボランティア」のような形で、この取り組みに関心を持った一般の方が地域に広げていってくれる循環を作ることです。保健室で体験した患者の家族の方が、保健室で関心を持った人が誰かに勧めて、その人がまた新しい人に教えてあげる。そんな地域への広がりを期待しています。

広報誌への掲載情報

はぁとふるグループの広報誌「はぁとふる(Vol.72 P8~9)」で脳体力トレーナーCogEvoを使った取組みが紹介されています。

詳しくはこちら

はぁとふる広報誌より抜粋

法人情報

はぁとふるグループ 運動器ケア しまだ病院

住所

〒583-0875 大阪府羽曳野市樫山100-1

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