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体温と血圧と認知機能

日々の体調を測る体温計や血圧計は身近なものとして存在しています。 血圧は最高が135mmHg未満、最低が85mmHg未満、が正常とされておりますが、実際の数値は個人差があり、老化に伴い血管は固く伸展性がなくなってくるため、70歳以上では約70%が高血圧を示すと言われています。

一方で、体温の正常値は、36~37℃程度で、加齢に伴い運動機能や身体機能等の生理機能の衰えにより低下し高齢期では35℃台になる人も少なくありません。また、日内変動があり、病気によっても大きく変化します。 体温計、血圧計ともに、体調が悪い時の客観的指標として、医療機関に受診する、外出せず休息する、無理をしない等、その日の過ごし方の判断に活用することが多いと思います。

また、血圧については加齢とともに上昇していく傾向にあるため、高めの方は経時的に測定し、食事を中心に生活スタイルを見直すきっかけにされています。

では認知機能はどうなのでしょうか。

認知機能は血圧や体温のようにひとつの指標で測るものではなく、身体機能と同様に、複数の指標から総合的に判断されるもので、数値化された結果は病気などの診断のひとつとして参考にされますが、正常値という概念はありません。

また、加齢にともない低下することは一般的に知られていますが、体温や血圧と同様に過度なストレス、疲労、病気などによって影響を受けることは意外に知られていません。 これまで医療現場で用いられることが多い「認知機能」ですが、体調や自身のパフォーマンスとの関係が深いことから、生活の場で活用することが期待されています。

まずは、問題なく生活ができている状況で自身のベースラインを知る、そして生活上の問題があったときの客観的な指標として活用したり、同年齢と比べて得手不得手を確認して得意なものを活かしたり、苦手なものへの対処方法を考えたりするなど、自分らしい生活を維持するための指標として活用することからはじめてはどうでしょうか。

「認知機能」が体温や血圧のように日常の指標になるために、脳体力トレーナーCogEvoを活用した様々な研究や実証実験(POC)により、評価スケールとしての信頼性の確保、数値の標準化、生活課題への活用などに取り組んでいます。

(認知機能の見える化研究所)