『記憶力や注意力の衰えを感じて医療機関に受診する』というのは心理的なハードルが高いため、最近では
生活に近い場所での認知症スクリーニングテストの実施や、個人で簡単に認知機能がチェックできるツールの
開発が行われています。
一方で、多くの方が『問題なし』と判断されるため、その後のフォローをどうするのかということが現場で
は課題のひとつとなっています。
こうした課題を解決すべく、薬剤師会が主催する健康フェアにおいては認知機能チェック(脳活測定)を行
うだけでなく、カフェで相談を受けられるという取組が行われています。また、調剤薬局で行っているスクリ
ーニング結果を保健師さんに情報提供し、医療機関への受診勧奨および日常生活での保健指導などを行ってい
るケースもあります。
先日の薬局学会の発表でも、『調剤薬局に勤務する薬剤師や事務職員は、来局した患者様の対応を行うだけ
でなく、地域のコミュニティに積極的に足を運び、地域住民の健康に携わる必要性を感じた』とありました。
簡便なツールが開発されることにより、個人でチェックを行うことも可能になりつつありますが、地域住民
の健康をフォローしていくために保険薬局(調剤薬局)には医療や生活の様々な担い手に繋げていくゲートオ
ープナーとしての役割が期待されます。