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認知症予防はいつからはじめるべきなのか

 本メルマガで紹介している大上哲也先生の論文の中で、「SCI を有する高齢者は問題のある運転行動をとりやすいが、この時期(SCI期)は自覚があり、代償的戦略をとっている可能性が高いため、違反や事故は少ない」という内容の記述があります。 ※SCI(主観的認知機能障害):家族や周りの人には気づかれず、自分だけが認知機能低下を感じている段階

しかしながら、いつか自覚がなくなり事故を起こしてしまうリスクを考えると、SCIの段階で将来的な運転免許の返納時期や、車の運転を前提としないライフスタイルを考えはじめるべきではないでしょうか。 わたしたちは、衣食住、経済・社会活動や自己実現など、自分らしく生きるために、個々に生活課題を抱えています(図参照)。 「老いる」とはやりたいことが少しずつできなくなることでもあります。

高齢者の認知症予防は、「認知症にならないようにする」ことではなく、認知症の有無にかかわらず個々人の生活の質の向上であるとも言われています。つまり、早い時期から本人自身が何らかの予防行動をとることや環境調整をして生活機能を維持できるような方法を考えておくことこそ認知症予防の本質ではないかと考えます。

「最近ちょっと気になる…」と認知機能に不安を感じたときには、運動、栄養、社会参加、脳トレなどの予防方法や、今の自分の暮らしを続けるための準備や工夫をはじめてみてはいかがでしょうか。

(認知機能の見える化研究所)