脳体力トレーナーCogEvoについて

パートナーインタビュー
CogEvoがもたらす変革と挑戦 -未来展望-

旅行×健康経営に「CogEvo」が躍動 社員にも導入し認知機能向上へ

来年創業120周年を迎える大手旅行会社・株式会社日本旅行(以下、日本旅行)が新たな取組みを加速している。新型コロナウイルス感染症が感染拡大した2020年からの3年半、主力の旅行事業の需要が激減。中期経営計画でソリューション事業に人材をシフトし、祖業であるツーリズム事業と両輪の事業ポートフォリオ経営へと転換した。ソリューション事業のキラーコンテンツのひとつが、トータルブレインケアとともに取り組む認知機能の向上だ。トータルブレインケアの脳体力トレーナーCogEvo(コグエボ)を軸に、自治体や企業の健康経営を支援する。日本旅行は社内にも全社員を対象に導入するなど積極的に取り組んでいる。現在の取組みや今後の展望について、日本旅行の代表取締役社長 小谷野悦光氏に株式会社トータルブレインケア(以下、トータルブレインケア)社長の河越眞介が話を伺った。
(※以下、文中敬称略)

トータルブレインケアの「脳体力トレーナーCogEvo」をどのように評価されていますか。

小谷野社長(以下、小谷野):認知症に関するビジネスは、講義で学ぶようなお話はこれまでもたくさんありました。CogEvoがそれらと大きく異なるのが、遊び感覚でできることです。もちろん、私もやっています。認知症や介護の問題は社会的な課題ですが、いい意味で遊び感覚でとらえられるアプローチが強みですね。

小谷野 悦光(こやの・よしてる)。慶応義塾大学卒業後、82年国鉄入社。01年日本旅行入社。国内旅行部長、経営管理部長、営業企画本部長などを経て20年副社長。2021年より現職。

河越:小谷野社長にもご活用頂き、ありがとうございます。CogEvoは本人主体のツールです。この手の商品は作り手の想いが強すぎ、プロダクトアウトになってしまいがちです。認知症になる確率を聞いたところで、自分自身どうすればよいのかわからないですよね。私たちのアプローチは自分の状況を定量的に把握することです。自分ごととしてとらえるようになります。

河越 眞介(かわごえ・しんすけ)株式会社トータルブレインケア 代表取締役社長

小谷野:いいですね。たしかに、CogEvoの良いところは机上の空論ではないところです。社員自身が使ってみて自信をもって薦められるのです。商品を深く理解できることで自信をもってお客様にも説明ができるだけでなく、自らを鍛えられる訓練にもなります。自分自身が当事者になることでプレゼンテーションに迫力が出て、家族にも薦められます。旅行業界では得づらい機会です。仕事の冥利につきますね。

河越:私は人が関わるところなら、CogEvoは必ず役に立つ自信があります。パソコンに例えるなら、CogEvoはCPUです。CPUは考える力といえます。私たちはまず医療や介護業界から始め、自治体や企業へ広がりをみせようとしています。様々な業界へ広がっているのは日本旅行様とご一緒できているからです。日本旅行様と組むことで、自治体への取り組みが加速し、様々な業界にも広がりをみせています。パソコンもだいぶ進化した時代の動きと似ています。他のツールやサービスと組み合わせることでもっと使いやすい有用なソリューション化が可能であると考えています。

会社紹介でもCogEvoを活用
ポジティブヘルス時代が到来

小谷野:実は、会社紹介でよくCogEvoを使わせていただいています。先日も台湾へ出張したのですが、医療費削減や認知症の予防にも貢献する商材があることを伝えると「旅行だけじゃないの?」と良い意味でびっくりされます。会社の奥行きの深さを感じることに貢献してくれています。
私達は普段から多くの自治体や企業の方々と旅行を通じてお付き合いいただいています。私たちも旅行以外でお役立ちがしたい。CogEvoはその先鞭となってくれています。例えば、いま運輸業界で社員の体調が突然悪くなり、事故を起こしてしまうケースが増えています。これまで私どもではお役立ちできることがありませんでしたが、CogEvoをご紹介できるようになりました。

河越:凄惨な事故を防ぐために、運転前のアルコールチェックは義務化されましたね。運転中にアルコールが体内に残っていると、認知機能が低下してしまうことが問題でした。CogEvoで普段から認知機能の衰えの前兆をつかむことで、飲酒に限らず事故を未然に防ぐ可能性を秘めています。最近の動きとしては、英語版もできたんですよ。

小谷野:いいですね。我々はインバウンド需要にも対応しており、諸外国の方々とお話をする機会は多いです。例えば、カーボン・オフセットなどの経営手法は海外から取り入れることが多いですよね。ですが、これからは、CogEvoを活用した健康経営の手法などを国内の好事例として海外に紹介していくケースもありえますよね。日本発で海外の方が学べるテーマもでてくると思うのです。

河越:高齢化が社会課題として認識されているので、CogEvoが担える役割は大きいです。メンタルヘルスではなく、ポジティブヘルスの時代がやってきます。社員のパフォーマンスを高めることが大切になるのです。CogEvoはお子様からお年寄りまでご活用いただけます。日本旅行様と一緒に取り組むことで、自治体も先生方も聞いていただきやすいです。実績を積み上げていくことで、流れを作っていきたいですね。


続けて、CogEvoの社内導入状況と企業や自治体への提案について、執行役員・ソリューション事業本部 副本部長 福岡雄二氏と、ソリューション事業本部 コーポレート事業部 部長 串田敏生氏にお話を伺いました。
また、トータルブレインケア 執行役員・営業部長の本田新也も加わり、日本旅行におけるCogEvoの活用を通じた健康経営の実践についての意見をお聞きしました。
(※以下、文中敬称略)

日本旅行でCogEvoを推進する、同社 福岡雄二氏(右下)と串田敏生氏(左下)。トータルブレインケア 本田新也(左上)。

福岡:日本旅行では全グループ社員4000人を対象に2024年5月からCogEvoを導入しました。すでに約2100人が登録し、積極的に活用している社員が500人ほどまで広がっています。健康保険組合と共に取り組み、参加度合いに応じてポイントを付与しています。ウォーキングすることでポイントがもらえる仕組みと同様ですね。

串田:日本旅行で働く社員のボリュームゾーンは40〜50歳代です。認知機能については、本人だけでなく親世代も気になる年齢層です。管理職で責任も大きく、ストレスも溜まりやすい世代ですね。この世代にはしっかりと浸透させたいです。実は社内で一番取り組んでいるのは私かもしれません(笑)。結果が悪い時は3回くらいやってしまう時もあります。社員には「業務時間中でもやっていいよ」と言い続けています。やっていて面白いですよ。

河越:ありがとうございます。実は毎日続けていただくと自分の調子を把握することに役立ちます。夜型だと思っていた人がCogEvoに取り組んでみると、実は朝型だったという方もいらっしゃいました。1ヶ月近くやっていただくと、クセが見えてきますね。

串田:会話のきっかけにもなっています。「あの問題やった?」「難しいよねぇ」とか話しやすいですね。私がCogEvoをしっかりと取り組もうとしたきっかけは、車庫入れだったのです。いつもまっすぐ停められるはずが、少し曲がってしまう。空間認識力を意識しました。あと趣味で野球をやるのですが、最近フライがとりづらくなってきました。これも空間認識ですよね。

会話のきっかけに一役
チームプレーにも使える

福岡:空間認識でいえば、ゴルフも同じです。プレーする人は多いので興味を持ちやすいですね。認知機能を自覚し、行動変容を促すということはとても大切だと思います。なんといっても自社が扱う商材を自分自身が毎日体験し感想を伝えられることは、旅行業ではなかったことです。その点でもCogEvoは、至れり尽くせリなプロダクトです。

河越:最近、CogEvoがビジョントレーニングに活用できるといわれてきました。高校野球で成績が良くなったり、パフォーマンスが高まったりしています。元プロバスケットボール選手が、子どもたちに教える際にCogEvoを活用できると期待していただいています。自分のプレーを言語化できる子が少ないなかで、CogEvoがその役割を果たせるといいます。

串田:いま企業は睡眠に関心を寄せています。睡眠の質によって、生産性や安全性が高まることが期待されています。わたしたちがお客様に提案する際にCogEvoの効果を定量的に伝えたいですね。そのためにも全社員で使うことで見えてくることもありそうなので、社内で浸透させていきます。経験することで説得力が増しますからね。

本田:実は個人だけでなくチームプレーにも使えます。CogEvoによって傾向がわかることで、どのように伝えたらわかってもらえるのかといった部下とのコミュニケーションにも活用できますね。応用として採用に活用できますよ。

福岡:CogEvoには大きな期待をしています。私たちはコロナ禍で課題解決型のソリューションビジネスを強化していく戦略を打ち出しました。健康経営を広げていくためのツールとして提案しています。これまで自治体とのリレーションを活かし、広げていきます。

串田:自治体から受託する案件を増やしていきます。「アタック1788」と銘打ちすべての自治体へアプローチしています。その次のフェーズとして、企業への提案も強化していきます。中小企業も含めれば無数にあり、地域全体で健康経営に取り組めます。我々もいかに付加価値を高めていくかを軸に取り組んでまいります。

対談を終えて

「認知機能の見える化で、社会課題の解決を目指す」

河越:ディープテックベンチャーとして、コツコツとエビデンスを積み上げ、さまざまな分野でテストマーケティングを行ってきました。
自治体分野では全国展開の段階で日本旅行様の営業力と出会い、想像以上の広がりとなっています。
また、私たちの最大のターゲットである企業向けについても、東京大学デジタルメンタルヘルス講座との共同研究開始と同時に、日本旅行の全社員対象としたCogEvoのPOCに取り組んでいただいています。今回の小谷野社長や経営幹部のインタビューで今後の商品化・商材化を日本旅行様と行うことで事業化が加速する確信しました。

株式会社トータルブレインケア 代表取締役社長 河越 眞介


脳体力トレーナーCogEvo サービス詳細はこちら
https://cog-evo.com/

株式会社日本旅行 会社概要
https://nta-corporate.jp/

株式会社トータルブレインケア 会社概要
https://tbcare.co/company/